導入事例

ハジメバ M&AソーシングAI

同じ案件が別々の担当者に届く。月50件超のソーシングを4名・2拠点で捌くためのM&A案件情報の一元化

穴吹興産株式会社

業界

不動産・建設

従業員数

1,000 - 人

連結売上高1,388億円(2026年6月期)、グループ会社約60社。香川県高松市に本社を置く東証スタンダード市場上場企業、穴吹興産株式会社。分譲マンション「アルファ」シリーズを主力に、不動産流通、不動産ソリューション、ホテル、シニア関連、人材サービス、電力まで、暮らしに関わる事業を幅広く展開する四国有数の総合不動産グループです。「地域社会に生かされ、生きる」を掲げ、事業領域を面で広げてきた同社にとって、M&Aは成長戦略の中核を担う手段のひとつです。
同社のM&A担当は東京・高松の2拠点に分かれた実働4名。毎月50件以上の案件が、それぞれの担当者に届きます。そのため、同じ案件が別々の仲介会社から、あるいは別々の担当者に重複して届いていることに気づけない。案件管理もExcelに依存しており、過去に検討した案件の履歴を組織として引けない状態でした。そこで、「ハジメバ M&AソーシングAI」を導入。情報管理の観点から社内の関係部門と確認を重ねたうえで、案件情報の一元化を進めています。今回は、同社でM&Aを推進されている日下様と佐藤様にお話を伺いました。

お話を伺った方

穴吹興産株式会社 日下様、佐藤様

ポイント

・

月50件以上の案件を各担当者が取得。同じ案件が別の仲介会社から、別の担当者に重複して届く状態を解消するため導入

・

Excel管理から脱却し、東京・高松の2拠点・実働4名が同じ案件リストを見られる状態に。過去に検討した案件の履歴も組織に残る

・

汎用ツールも検討したうえで、M&A専用サービスを選定。手入力に依存する限り抜け漏れは防げないと判断

導入による効果

  1. 案件情報の転記作業

    月10時間→ほぼゼロ

  2. 案件を見られるメンバー

    1名→4名(2拠点)

  3. 質問事項の作成時間

    約60%減

【導入背景】暮らしにまつわる事業を「面」で広げる。その成長エンジンとしてのM&A

ー まず、穴吹興産の事業について教えてください。

日下様:当社は香川県高松市を本拠に、分譲マンション「アルファ」シリーズの開発・販売を主力としながら、不動産流通、不動産ソリューション、ホテル、シニア関連、人材サービス、電力など、暮らしに関わる幅広い事業をグループで展開しています。「地域社会に生かされ、生きる」という考え方のもと、地域の生活に必要な機能を自分たちで担ってきた結果として、いまのポートフォリオがあります。

ー その中で、なぜM&Aに取り組まれているのですか。

日下様:当社は一つの事業に依存せず、暮らしのシーンを「面」で押さえていく考え方をとっています。ゼロから立ち上げる方法もありますが、すでに地域に根ざして事業を営まれている会社と一緒になったほうが、早く、確実に価値を届けられる場面が少なくありません。後継者が決まらないという理由で良い事業が失われてしまうのは、地域にとっても損失です。そうした会社と接点を持ち続けること自体が、当社にとって重要な経営活動になっています。

【導入前の課題】同じ案件が、別々の担当者に届いている。それに気づけない

ー M&Aの体制について教えてください。

佐藤様:M&Aグループは実働4名の体制です。高松と東京の複数拠点体制で、それぞれが通常業務と兼務しながら案件を見ています。多数のM&A仲介会社や金融機関から、毎月50件以上の案件をご紹介いただいています。対象は、不動産関連をはじめ、既存事業とのシナジーが期待できる幅広い領域で、日々多くの案件を検討しています。

ー 導入前は、案件情報をどのように管理されていましたか。

佐藤様:Excelです。仲介会社側も担当者ごとに窓口が分かれているので、案件は当社の担当者それぞれに個別に届きます。それを各自がExcelに転記していく形でした。

ー なぜ、その運用を見直すことにされたのですか。

佐藤様:扱う案件数が増えていく中で、Excelでの管理を続けることに限界を感じていました。一度きちんとしたシステムに移すべきタイミングだろう、という判断です。ちょうど管理のあり方を見直す機会があり、そこで具体的に検討を始めました。

「それぞれが案件をシステムに入力しない限り、もらっているかどうかの確認が取りづらい状態でした」

ー そこでどのような支障が出ていましたか。

日下様:いちばん困っていたのは、案件の重複です。非独占の案件だと、A社から届いた案件がB社からも届く。それだけでなく、同じ仲介会社の別の担当者から、当社の別の担当者にも同じ案件が届くことがあります。ノンネームシートの段階では気づかず、IMを開いてみたら、すでに高松グループでもらっていた案件だった、ということが実際に起きていました。

ー 拠点が分かれていることの影響も大きかったのでしょうか。

日下様:大きかったです。高松と東京で距離が離れているので、リアルタイムにどの案件をもらっているのかが、Excel管理だと非常に見えづらい。重複して同じ案件に対応することになれば、仲介会社とのコミュニケーションにも影響します。

 ー ほかに課題はありましたか。

日下様:過去に検討した案件の履歴が引けないことです。ターゲットリストを作るときは、まず過去に検討済みの案件を除外してから精査していきます。ところがExcel管理だと、高松が過去に検討した案件までは追いきれない。すでに見送った先にもう一度アプローチしてしまう可能性が残っていました。

【選定理由】なぜ汎用ツールではなくM&A専用だったのか。上場企業として社内を通すまで

ー 課題に対して、最初はどのような打ち手を検討されましたか。

佐藤様:正直なところ、当初は汎用的なCRMツールで組もうかと考えていました。ただ、結局は誰かが手で入力する形になります。抜け漏れを防ぐためにツールを入れるのに、手入力で抜け漏れが出るのでは意味がない。そこが引っかかっていました。また、案件が外から不定期に、しかも様式の揃わない形で届きます。それを自分たちで型に落とし込む作業自体が負担だったので、やはりM&Aに特化したツールが使いやすい、という結論になりました。

ー その中でハジメバを選ばれた決め手は何でしたか。

佐藤様:2つあります。1つは、案件が届いた時点で自動的に一覧化されること。手入力を前提にしない設計になっている点が、まさに我々が引っかかっていたところの答えでした。もう1つは、重複のアラートです。会社名や所在地、代表者名で重複を検知できるようにしてほしいとお伝えしたところ、実装を前向きに検討いただけた。当社が最も解きたかった課題に正面から応えていただけると判断しました。

ー 導入を検討される際、社内ではどのような点が論点になりましたか。

佐藤様:上場企業として、また多数の取引先とお付き合いのある会社として、情報の取り扱いには慎重にならざるを得ません。案件情報を取り扱うサービスですので、セキュリティやアクセス権限、情報管理の方法については、社内の関係部門とも十分に確認しました。

ー ハジメバ側の対応はいかがでしたか。

佐藤様:必要な資料の提示や条件の整理に、細かく対応いただきました。スタートアップのサービスというと、この種の確認に耐えられないのではという懸念を持つ方もいると思いますが、当社が求めた水準には正面から応えていただいた、というのが率直な感想です。社内で説明できる状態を整えたうえで導入に踏み切れたことは、結果的に社内展開のしやすさにもつながっています。

【導入後の効果】M&A案件を「個人の資産」から「組織の資産」へ

ー 実際に、どのように使われていますか。1日の流れで教えてください。

日下様:都度、届いた案件資料を読み込ませて一覧に載せます。合致度の判定を見ながら、優先して確認する案件を選定。関心のある案件には担当を割り当て、エージェントへの質問事項を用意する。定例ミーティングでは、この画面をそのまま映して担当ごとに進捗を確認していきます。以前のように、各自が手元の資料を持ち寄って突き合わせる形ではなくなりました。

ー 導入前と比べて、いちばん大きな変化はどこですか。

日下様:チームの誰もが同じ画面で「いま検討中の案件」を見られるようになったことです。東京と高松で分かれていても、同じリストを見ながら会話ができる。誰がどこまで進めているかも見えるので、対応の重複や抜けが起きにくくなりました。

ー サポート体制はいかがですか。

佐藤様:定例ミーティングで要望をお伝えすると、そのまま開発に反映されるスピード感があります。実際に当社から出した要望が数週間で実装されたこともありました。使いながら一緒に作っていける距離感は、大企業のサービスにはない良さだと思います。

 ー 特に便利だと感じている機能はありますか。

日下様:エージェントへの質問事項をAIが作成してくれる機能です。案件の初期検討では、開示された情報だけでは判断できず、追加で確認したいことが必ず出てきます。これまでは担当者の経験によって質問の粒度に差が出ていましたが、たたき台が自動で出てくるので、一定の水準が担保されるようになりました。これはなかなか便利だと感じています。

【今後の展望】量から質へ。当社のニーズが正しく伝わる状態をつくる

ー 今後、ハジメバをどのように活用していきたいですか。

佐藤様:まずは、当社のM&A担当全員が日常的に使う状態まで定着させることです。そのうえで、案件の量だけでなく、検討の質やスピードを上げていきたい。当社は事業領域が広く、見るべき業種も多岐にわたります。当社のニーズをエージェントの皆さまに正しく伝え、より合致度の高い案件と出会える状態をつくっていくところまで、パートナーとして並走してもらえることを期待しています。

ー 最後に、同じような課題に取り組む企業のご担当者へ、メッセージをお願いします。

日下様:M&Aのソーシングは、担当者個人の努力に依存しやすい領域だと思います。ただ、個人が頑張るほど情報は個人に溜まり、組織としては見えなくなっていく。もし同じ状態にある会社があれば、まず「いま何件の案件を検討しているか」を即答できるかどうかを確かめてみるとよいと思います。そこに答えられないのであれば、担当者の能力ではなく仕組みの問題です。当社もそこから始めました。

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