導入事例
ハジメバ M&AソーシングAI
PMIで忙しくても、ソーシングは止めない。「100の事業」を掲げる多角経営企業が進める、M&AソーシングのAI自動化
株式会社スマイル企画
業界
サービス業
従業員数
501 - 1,000 人
福岡市博多区に本社を置く株式会社スマイル企画。ホテル・ビル・マンションの管理や清掃・警備といったビルメンテナンス事業を中核に、人材サービス、保育園の運営、給食サービスなど、「人」を主役とする事業を多角的に展開しています。同社が掲げるのは「主役が"人"になる、100の事業を生み出す」というビジョン。その実現手段のひとつとしてM&Aを位置づけ、直近でも実際に買収を実行、現在も複数の案件が同時に進行しています。
一方で、M&Aの実務を担うのは経営企画部の担当者ひとり。担当者は買収後のPMIも兼務しており、統合作業が立て込むほど、新しい案件の確認が止まる構造がありました。事業領域が広く、案件ごとに目利きすべき事業部が異なることも課題でした。同社は「ハジメバ M&AソーシングAI」を導入し、案件の受領から初期分析までをAIに任せたうえで、事業部ごとに関係する案件を振り分ける体制を構築。PMIの最中もソーシングを止めない仕組みづくりを進めています。今回は、代表取締役の年岡様と、経営企画部の森様のお二人にお話を伺いました。
お話を伺った方
代表取締役 年岡様
経営企画部 森様
ポイント
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PMIと他業務を兼務する担当者ひとりに、月20-30件の案件確認が集中。買収を進めるほど次の案件探しが止まる構造を解消するため導入
・
案件の受領・一覧化・財務分析までをAIが一次処理。ホテル・ビルメンテナンス・保育など、事業部ごとに関係する案件を振り分け、現場の目利きをソーシングの入口から活用
・
代表と担当者が同じ案件情報を常に共有。報告を待たずに、経営と現場が同じ材料でM&Aを判断できる体制に
導入による効果
案件の一次レビュー時間
月約15時間→約3時間
案件を検討できる事業部
経営企画のみ→3事業部
PMI期間中の新規案件確認
停滞→継続
【導入背景】多角経営の次の成長を、M&Aでつくる

ー まず、スマイル企画の事業について教えてください。
年岡様:当社は福岡・博多を本拠に、ホテルやビル、マンションの管理・清掃・警備といったビルメンテナンスを中核として、人材サービス、保育園の運営、給食サービスなど、幅広い事業を展開しています。共通しているのは、どの事業も「人」が主役だということ。人が輝く時間と空間を支える事業を、領域を絞らずに広げてきた結果が、いまの多角的なポートフォリオです。
ー その中で、M&Aをどのように位置づけていますか。
年岡様:当社は「主役が"人"になる、100の事業を生み出す」ことを掲げています。すべての事業をゼロから立ち上げていては、時間がいくらあっても足りません。すでに地域で顧客と実績を持つ会社と一緒になるほうが、早く確実に事業を広げられる場面は多い。直近でも実際に買収を実行しており、M&Aはこのビジョンの実現に不可欠な手段です。
【導入前の課題】買収するほど、次の案件探しが止まる

ー M&Aの体制について教えてください。
年岡様:当社のM&Aは、経営企画部の森が実務の中心となり、私が最終判断をする体制です。お付き合いのある仲介会社・金融機関から、毎月20~30件ほどの案件をご提案いただいています。森は買収後のPMIや他の経営企画業務も兼務しており、M&Aの実務は事実上ひとりで回している状態でした。
ー 導入前は、案件情報をどのように管理されていましたか。
森様:案件は私のメールに届き、PMIや他の業務の合間に確認していました。財務情報を見て対象外と判断したものはその場で見送り、残りを検討する。ただ、確認の時間を取れるかどうかは、その時期の業務量次第でした。
ー PMIとソーシングの両立は、どのような状況だったのでしょうか。
森様:買収を実行すると、統合作業に時間を取られ、買収先への出張も重なります。PMIは期限のある仕事なので、どうしても優先せざるを得ません。その間、新しい案件のメールは開けないまま溜まっていく。買収を進めるほど次の案件探しが止まるという矛盾を抱えていました。
「買収を進めるほど、次の案件探しが止まる。PMIとソーシングを同じ人が抱える矛盾が、いちばんの課題でした」

ー 経営の立場からは、どのように見えていましたか。
年岡様:いまどんな案件が来ていて、どれを検討しているのか。全体像は森からの報告で知る形でした。森が忙しい時期ほど報告も遅れるので、良い案件があっても、私が知ったときには検討の時間が残っていない。経営として、判断のタイミングを逃しかねない状態でした。
森様:代表への報告は、案件を一度自分で整理してからになるので、PMIが立て込むとどうしても後回しになっていました。
ー 多角経営ならではの難しさもありましたか。
年岡様:当社はホテル、ビルメンテナンス、保育と事業の幅が広いので、届く案件の業種もばらばらです。ホテルの案件はホテル事業の、保育の案件は保育事業の人間が見て、初めて良し悪しが分かる。ところが案件は経営企画に届くので、森が転送しない限り現場の目利きには届きません。事業部の知見を、ソーシングの入口で活かしきれていませんでした。
【選定理由】入口はAIに、判断は事業部の目利きに
ー 課題に対して、最初はどのような打ち手を検討されましたか。
年岡様:人を増やすことも考えましたが、M&Aの実務が分かる人材はすぐには採れません。かといって森ひとりの工数を増やしても、PMIが入れば同じことが起きる。人に依存しない形で、入口の作業を回す仕組みが必要だと考えました。
ー その中でハジメバを選ばれた決め手は何でしたか。
森様:私が案件の確認に張り付けない期間でも、受領と初期分析をAIが進めてくれることです。メールで届いた案件は自動で一覧化され、財務情報の読み取りと分析まで済んでいる。PMIの出張から戻ったときには一次的な判断材料がそろっていて、私は判断だけに集中できます。
ー 多角経営の会社として、重視した点はありますか。
年岡様:案件を事業部ごとに振り分けられることです。権限を分けて、ホテルの案件はホテル事業の担当者に、保育の案件は保育事業の担当者に見せられる。全社の案件を一か所に集めながら、現場には関係する案件だけを届けられる点が、当社の事業構成に合っていました。
ー ハジメバ側の対応はいかがでしたか。
森様:立ち上げの実務まで巻き取っていただけたのが大きかったです。各仲介会社への案内文面の作成や、メルマガの受信設定まで代行していただき、私の作業はほとんど増えませんでした。兼務の担当者にとって、導入に手間がかからないことは重要です。

【導入後の効果】PMIの最中も、案件は事業部と代表に届き続ける

ー 実際に、どのように使われていますか。
森様:届いた案件はAIが一覧化・分析し、私はその結果を見て、詳しく検討すべき案件だけを開いています。以前は1件ずつメールと資料を開いて確認していたので、一次レビューにかかる時間は大きく減りました。PMIで手が離せない週があっても、案件の受領と整理は止まりません。
ー 事業部の関わり方は変わりましたか。
年岡様:変わりました。ホテル、ビルメンテナンス、保育の各事業の担当者が、自分の事業に関係する案件を直接見られるようになりました。現場の人間が早い段階で「これは面白い」「これは厳しい」と言える。事業部の目利きがソーシングの入口から入るようになったのは、大きな変化です。
森様:私が転送する手間もなくなりましたし、事業部の意見を先にもらえるので、エージェントへの返答も早くなりました。
ー 代表と担当者の関係にも変化はありましたか。
年岡様:森からの報告を待たなくても、気になる案件があれば私から声をかけられるようになりました。報告を受けてから考えるのではなく、同じ材料を同時に見て判断できる。経営のスピードでM&Aを判断するうえで、この差は大きいと感じています。
森様:私にとっても、代表への報告のためだけに案件を整理し直す必要がなくなりました。代表がすでに見ている前提で話せるので、相談の中身が具体的になります。

【今後の展望】統合と探索を、同時に回せる会社へ
ー 今後、ハジメバをどのように活用していきたいですか。
年岡様:「100の事業」に向けて、M&Aはこれからも続けていきます。買収した会社の統合を進めながら、次の案件も並行して見ていける。そういう体制を当たり前にしたいと考えています。事業部の目利きを入口から入れて、判断の精度も上げていきたいですね。
森様:私としては、PMIの進め方を型にしていくことが次のテーマです。ソーシングの入口をAIに任せられる分、統合の仕事に時間を使えるようになりました。
ー 最後に、同じような課題に取り組む企業へ、メッセージをお願いします。
年岡様:買収はゴールではなく、統合して初めて価値になります。ただ、統合に人を割くと、次の案件探しが止まる。この両立に悩んでいる会社は多いはずです。任せられる入口の作業は任せて、人は判断と統合に集中する。M&Aを続けるなら、その割り切りが必要だと思います。
森様:兼務でM&Aを担当されている方ほど、入口の作業に時間を取られていると思います。そこを手放すだけで、本来向き合うべき判断や統合に使える時間が生まれます。
